「ニキビにずっと悩んでいてマスクを外すのがはずかしい」
「ニキビくらいで皮膚科にいくのはおおげさ」
思春期から数年間ニキビに悩まされ続けていたものの母の「大人になれば自然に治る」という言葉を信じ、スキンケアでできるだけのニキビ対策をしてきました。
ニキビ=皮膚科で相談という発想すらなかった学生時代でしたが、皮膚科で治せると知り2021年の6月頃からニキビ治療をスタート。
初めは皮膚科に対してハードルを感じていましたが、一度行けば皮膚科に対する抵抗感も不安感もなくなり、今では薬とうまく付き合いながらスキンケアを楽しんでいます。
現在ニキビに悩んでいる方や根本的にニキビを治したいと考えている方は、美容医療で大金を使ったりあれこれスキンケアを試したりするよりも皮膚科での標準治療(保険適用の治療)がニキビゼロの近道です。
お財布にもやさしく、確実にニキビを減らし美肌を目指す方法だと自信をもっていえます。
- ニキビを治したいけど皮膚科はハードルが高い感じる
- ニキビくらいで皮膚科に行っていいのか不安でいけない
- 症状が伝わるように話すことを決めて準備したい
ニキビで皮膚科ははずかしくない!

- 保有資格
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- 化粧品検定1級
- 化粧品成分上級スペシャリスト(1級)
- 肌質・肌の悩み
-
脂性肌寄りの混合肌
ニキビ/ニキビ跡/毛穴/赤み
冬はフェイスラインの乾燥、口周りの皮むけが多い
皮膚科に通いニキビ治療中
ニキビはどれくらいで治るのか
ニキビがどれくらいで治るのかは個人差があります。
肌状態や生活習慣、副作用を乗り越えられるかどうかなどが影響するので、一概に何日で治るかは判断できません。
ちなみにわたしは赤ニキビが大量にあるタイプではなく、大量のコメドを抱えいつ爆発するかわからない地雷原タイプの肌でした。
生理前やストレス、乾燥などの影響を受けて赤ニキビがポツポツある状態でたまに直径1cmくらいの爆弾ニキビができることも。
大半のニキビがニキビ跡になってしまい完全に悪循環にハマっていた状態です。
皮膚科での薬を使ったニキビ治療をはじめて早10カ月、もうそろそろ1年を迎えようとしている現在ようやくニキビができにくくなったことを実感しています。

まだまだ治った!といえる状態ではなくポツポツ赤ニキビがあります

早ければ3カ月以内に効果を実感でき、4カ月目以降はニキビの改善を実感しながらニキビができにくい状態を維持する期間に入ります。
薬を何カ月も使うのはかえって肌によくない印象がありますが、ニキビ治療薬は1年間の長期臨床試験がおこなわれていて年単位で使うことが推奨されています。
わたしが通う皮膚科でどれくらい使い続ければいいか聞いたところ、以下の回答がありました。

ニキビしばらくできない状態が続いた頃からさらに半年継続します
治ったかな~くらいの段階で中断してしまうと元の肌状態に戻る可能性もあるようです。
皮膚科は定期的に通うのでその都度肌状態をみてもらい、薬が適しているのかや心配事を相談しながら治療を進めるといいですよ。
皮膚科に行く前の準備と心構え
薬をもらうまでの流れは皮膚科に限らずどの病院もほぼ同じです。
薬をもらうまでの流れ
- 受付
- 呼ばれるまで待機
- 診察
- 支払
- 調剤薬局で受付~薬をもらう
事前にホームページで予約・受付方法をチェックしておきましょう。
皮膚科によって初診は電話予約が必要だったりweb予約を受け付けていたりします。
診察まで時間がかかる場合が多く、場合によっては1時間以上待たされることも。

途中外出するときは必ず受付で伝えてから!
スムーズにいけば30分程度で受付~支払まで終わりますが、通う皮膚科によって差があるので時間に余裕をもっていくのが得策です。
診察中、医師に薬の使い方や禁止事項などあれこれ説明されたとき万が一覚えきれなくても安心してください。
薬局であらためて薬の説明を受けるので、気になることがあれば薬剤師に質問でき疑問点を解消できますよ。

たくさん質問してもやさしく答えてくれます
持ち物3点セット
- 現金
- 保険証
- お薬手帳
この3つさえあれば薬をもらえるまでスムーズに事が進みます。
キャッシュレス決済できる病院も増えてきましたが、まだまだ現金一択のところも多いので現金をもっておくと安心です。

初診で3,000円だとギリギリだから4,000円もっていくといいよ~
保険証は言わずもがな。
お薬手帳を持参すると2回目以降の薬代がほんの少し安くなるので持参して損はありません。
安くなるにはお薬手帳の持参に加えて「原則3カ月以内に同じ薬局に再度処方せんを持参すること」が条件。
ニキビ治療を始めるとだいたい2~3カ月に1回のペースで通うことになるので、ぜひお薬手帳をもっていってください。
ニキビの治療薬のジェネリック品もあり、こちらを選ぶとさらに料金を抑えられます。
ジェネリックと聞くとなんだかマイナスイメージがありますが、新薬と同じ効き目と安全性が認められているので問題ありません。
ジェネリック医薬品は新薬の特許が切れた後に製造販売されるお薬で、新薬と同じ有効成分で作られ、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」にもとづくさまざまな厳しい基準や規制をクリアし、効き目や安全性が新薬と同等であると認められてから発売されます。
引用:沢井製薬

皮膚科に限らず処方される薬にジェネリックを選ぶことが多いですが効き目に疑問を感じたことはありません
診察で必ず聞かれること
皮膚科でなにをするのか知っておくと不安を解消できリラックスして診察を受けられます。

ニキビで悩んで皮膚科に行く人はめずらしくないよ
診察で必ず聞かれることは大きく3つあります。
3つの質問事項
- どんな症状なのか
- 皮膚科の通院歴
- どんな治療を求めているのか
1つ目は症状についてです。
いつ頃からニキビができ始めたのか、ニキビの数はどれくらいあるのか、いつできやすのか、ニキビによってどんな悪影響がおこっているのかなどを伝えましょう。
ニキビの重症度はガイドラインで決められているので、事前に赤ニキビや黄ニキビ(膿をもつニキビ)を数えておくとマスクを外す時間を最小限にできそうです。
ニキビの重症度チェック
- 軽症:片顔に5個以下
- 中等症:片顔に炎症性皮疹が6~20個
- 重症:片顔に炎症性皮疹が21個~50個
- 最重症:片顔に炎症性皮疹が51個以上
2つ目にある皮膚科の通院歴も伝えておきたい大切なポイントです。
過去に皮膚科の通院歴がありニキビ治療を受けたことがある方は、どれくらいの期間通いどの薬をもらっていたのか話せるように準備しておくといいですよ。
なんていえばいいのかわからない方は以下の伝え方を参考にしてみてください。
具体的な伝え方
「思春期の頃からずっとニキビに悩んできて常に赤ニキビが5~6個あります。必ずニキビ跡になってしまいニキビができないようにしたいです」
「マスク生活になってから生理前に限らずニキビができるようになりました。特に口周りにできやすくマスク擦れで悪化してしまいます」
「1年前に皮膚科でデュアックを使っていましたが効果がなく今でもニキビができてしまいます」
etc.
3つ目のどんな治療法を求めているかは、医師によって対応が異なります。
「この薬を使い始めましょう」と具体的に指示されるパターンもありますが、いくつかの選択肢をあげられたあと「どの治療法にしますか?」と聞かれるパターンもあります。
治療法を選択できる場合、素人ではどれが自分に適しているのかわからないので事前に薬の種類を知っておくのがおすすめです。

次からくわしく治療法(薬の種類)をご紹介します
知っておきたいニキビ治療薬の種類
ガイドラインに基づく推奨度が最も高いニキビ治療法は、ピーリング薬と抗菌薬の組み合わせです。
ピーリング薬はニキビの初期段階である毛穴詰まり(面ぽう)を防ぐ作用があり、白ニキビをできにくくする働きがあります。
ビタミンA誘導体と似た構造をもつ有効成分(アダパレン)が配合され、抗炎症作用を発揮するのが特徴です。
抗菌剤は外用と内服の2つがあり、炎症を起こしたニキビ(赤ニキビ)に効果を発揮します。
ピーリング薬
- ディフェリン
- べピオ
- エピデュオ
抗菌薬
- ゼビアックスローション
- アクアチムクリーム
- ダラシンTゲル
ピーリング薬でニキビの元(面ぽう~白ニキビ)をできにくくしながら、抗菌剤で赤ニキビの悪化を防いでニキビ跡をできにくくするのが最も推奨されているスタンダードなニキビの治療法です。
注目してほしいのはピーリング薬。
3種類あるものの初めの選択肢としてディフェリンとべピオの2択になることが多く、ディフェリンを処方される可能性が高いです。
なぜならベピオの副作用として発疹や発熱、アレルギー性のかぶれが発生した場合、外用を中止しない限り改善しません。
ディフェリンとべピオを混ぜたハイブリッド型のエピデュオも同じくかぶれてしまう可能性があるので、ディフェリンで様子見されることが多いのではと考えています。

わたしはディフェリン(アダパレン)とゼビアックスローションを使い続けています

どの薬が処方されるかは症状によって違うからよく相談して話を聞いてね
ピーリング薬を使うと赤みやヒリヒリ感など少なからず副作用がでてしまうので、代わりに漢方での治療法も提案されますが個人的にはおすすめしません。
ガイドラインによると、漢方薬を使ったニキビ治療は「選択肢の一つとして推奨する」~「十分な根拠がないので現時点では推奨しない」レベル。
常用している薬との相性や体質などの影響を受けピーリング薬や抗菌剤を使える状況ではない場合をのぞき、副作用を我慢しても推奨される外用薬での治療がおすすめです。
そのほか自費診療としてケミカルピーリングやレーザー、ビタミン内服を勧められることもありますが、推奨度は外用薬に劣り「十分な根拠がないので現時点では推奨しない」レベルです。
保険適用ならやさしい料金
皮膚科でのニキビ治療は料金も気になるところ。
先ほどご紹介したピーリング薬+抗菌剤の標準治療は保険適用なので、1回の診察と薬代あわせて2,000円前後です。
2~3カ月に1回のペースで通うと1カ月あたり1,000円しないほどやさしい料金で済みます。

あれこれスキンケアを変えるよりも経済的!

どのスキンケアを使えばいいかわからないときは保湿剤もあわせてもらっておくといいよ
皮膚科選びのポイント
皮膚科は定期的に通うので通いやすいエリアにある皮膚科を選ぶのが大切です。
くわえて3つのポイントをチェックするとスムーズにニキビ治療を進められる可能性がアップします。
皮膚科選びのチェックポイント
- 保険診療をおこなっている
- 口コミ評判が悪くない
- 肌状態をみてくれる
美容皮膚科によっては保険診療を受け付けていないところもあるので、事前にサイトで確認しておきましょう。
Googleマップの口コミはサクラが少なくリアルなレビューが多いので、口コミサイトよりも信用できると思っています。
口コミを最新順に並び替え医師や受付の対応がどうなのか確認してください。

これまでの経験でレビュー評価が高いところでハズレを引いたことはほぼありません
現在はマスク生活があたりまえになり、直接肌状態をみてくれない皮膚科医もいると聞きます。
実際にどれほどニキビが悪化しているのか目視で確認しなければ適切な治療ができません。
もし肌状態をみずに処方されるようであれば違う皮膚科を考えた方がいいかもしれませんね。
ニキビ治療を始めるときの注意点
ここまできて「よし!ニキビを治すために皮膚科にいこう!」と考えているあなた。
最後に3つの注意点だけチェックしてからニキビ治療を始めると好スタートをきれますよ。
皮膚科に行く前に知っておきたい注意点
- 冬と夏を避けて治療をスタートする
- 副作用をよく知っておく
- スキンケアを見直す
わたしがニキビ治療を始めたのは6月くらい。
今思い返すと外部刺激を受けやすい夏と冬は避けた方がいいなとつくづく実感しています。
なぜなら夏のマスク蒸れと冬の乾燥で副作用がひどくなる可能性が高いからです。
実際に6月に治療を始めて副作用が落ち着いた頃、半日外出しただけでも肌状態が悪化して口周りがヒリヒリ赤くなる症状が数日続きました。
同じく冬も乾燥で肌が刺激を受けやすいので、特に湿度がぐんと下がる1~2月を避けたほうが◎
ニキビ治療の副作用は使い始めてから2週間以内におこりだんだんと和らいでいくので、初めの2週間だけがんばればその後スキンケアのように取り入れるだけでニキビが改善します。
主な副作用
- 乾燥(パリパリした感覚)
- 赤み
- かゆみ
- 刺激(ヒリヒリ感)
- 皮むけ、粉ふき
etc.
副作用の重さは個人差があり、耐えられないほどの重さであれば医師に相談してください。
はじめは腫れたように顔全体が真っ赤になりますが、数日続けていくとだんだんと赤みが引いてきて元の肌色に近づいていきます。

敏感肌の方は少量から始めたりぬったあとに洗い流す「ショートコンタクトセラピー」を取り入れたりなどいろんな工夫があるよ!

必ずお医者さんに相談して副作用との付き合い方をみつけてくださいね
副作用は使い始めて2週間以内にあらわれるとされていますが、わたしの場合は使い始めて数カ月経ったとしても保湿が不十分だと数日~数週間あらわれることがありました。
そのためニキビ肌にあった保湿とスキンケアアイテムの選び方も大切です。
ノンコメドジェニックテスト済みやオイルフリーのスキンケア・ベースメイクアイテムを積極的に取り入れるとニキビができにくい肌環境に整えられます。

さいごに
ニキビを治すためには皮膚科での外用薬だけではなく、食生活の見直しや適度な運動、十分な睡眠など規則正しい生活習慣も大切です。
「皮膚科の薬が効かない!」と感じるときは、ホルモンバランスの影響も考えられるのでピルを検討するのもひとつの解決策です。
また単に乱れた生活習慣や誤ったスキンケアが悪さをすることもあります。
原因を探り一つひとつ心当たりをつぶしていくとある日を境に急にニキビができにくくなるときがやってくるはずです。
医師に相談しながら思い当たる原因をひとつずつチェックして一緒にニキビゼロを目指しましょう!